テロワールを貫く酒造り
テロワールを貫く酒造り

田んぼでの米作りからの一貫製造体制による酒造り、それはワイン造りのテロワールと同じ思想です。
日本酒がワインと同じように産地や品種、そして年代まで細かく問われる時代が近付いてきていることを予感させてくれる、そんな酒造りをしている蔵です。


STORY


こだわりの一品ができるまで

渡辺酒造店

渡辺酒造店

糸魚川市根知川を挟んで広がる「根知谷」と呼ばれる地域で酒造りに取組んでいる渡辺酒造店。この「根知谷」、両側を山に挟まれた幅が700mほどの緩やかな斜面が2.5㎞程続いていて、その先は両脇から山が迫り徐々に幅が狭くなってゆきますが、この谷間全体に約170haの田んぼが広がっています。
城山というこの酒蔵に程近い山からの伏流水は、蔵の敷地内の、深さが10m程の手掘りの浅井戸の底を流れていると言います。 3本ある井戸で、最も適する井戸で仕込み水を取り、外はバックアップ用の井戸と洗い水用の井戸と、水にはとても恵まれている所です。 隆起した山のザックリとした地質からほとばしり出る軟質のこの水こそが、この蔵の円やかな酒質を決定付けているものなのでしょう。

渡辺酒造店では、根知谷の田んぼで、自社で酒造りに使用する殆んどの米を栽培しています。それは、酒造りにとって大切なのは「米」と「水」と「仕込み」だと、6代目社長の渡辺吉樹氏はかねてから感じていたからなのです。

酒造りのこだわり

酒造りのこだわり

それまで仕込みに使う米は、他の酒蔵と同様に専門業者から一括購入した米を使っていましたが、それはどこでどのように作られた米なのかわからないし、また求める品質のものや必要な量が手に入らないことに困難を感じていたのでした。
酒の良し悪しを決める大切な米を、他人任せにしていたのでは納得できる酒造りはできないと、渡辺社長の大号令の下、平成15年に1枚の田んぼからこの蔵での米つくりが始まったのです。とは言うものの、道具も機械も何も無い中で、田んぼに出ての米作りはそう簡単なものではなかったはずです。暑さ寒さに強い苗を育てるのに試行錯誤を重ね、 農薬を極力減らしたいとの思いは草取り地獄に苦しむことなり、さまざまな苦労を重ねながらも毎年作付けを増やし、将来的には30haにまで増やしたいと渡辺社長は考えているのです。

ヴィンテージの日本酒

ヴィンテージの日本酒

収穫した米は、どこの田んぼで取れた米かが判るように分けられていて、それぞれの米の栽培由来や生育過程もしっかり管理されています。それは自分達で米を栽培しているからこそ出来ることであり、どのようにして作られた米がどのような酒になるのかの全てを知ることが出来るのです。そしてそれは、より良い酒を造るための米作りに フィードバックされることとなり、米作りからの一貫製造体制による酒造りという、この蔵の強みを益々強固なものにして行くのだと思います。

日本酒がワインと同じように産地や品種、そして年代まで細かく問われる時代が近付いてきていることを予感させてくれる、そんな酒造りをしている蔵です。

合名会社 渡辺酒造店
会社名 合名会社 渡辺酒造店
住所 新潟県糸魚川市根小屋1197-1
取り扱い商品 nechi、根知男山
会社紹介 渡辺酒造店HP:<a href="https://nechiotokoyama.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://nechiotokoyama.jp</a>